渋谷のユーロスペースで、生きろ~島田叡(しまだあきら)~戦中最後の沖縄県知事を観て来ました。
焼肉ラバーの友人は沖縄ラバーでもありました。普天間基地に遺骨が混じった土砂が使われるのを教えてくれたのも、それに対してハンガーストライキを決行している具志堅さんが、具志堅用高さんでないのを教えてくれたのも、その友人でした。
dokikoが阿呆なのが、ばれてもうた(-_-;)
この映画生きろ~島田叡(しまだあきら)~戦中最後の沖縄県知事を撮ったのは筑紫哲也NEWS23にサブキャスターとして出演していたジャーナリストの佐古忠彦さんです。彼はこの映画の前にも「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名はカメジロー(2017年)」「カメジロー不屈の生涯(2019年)」の2本を制作しています。
カメジローとは何度も何度も投獄されながら不屈の精神で、アメリカ統治下で県民の為に戦った元沖縄市長、瀬長亀次郎さんの事です。この映画に誘ってくれたのが焼肉ラバーの友人でした。決して楽しい面白い類の映画ではありませんが、見て良かったと心から思えた映画でした。
今回の映画生きろは佐古さんがお話しているのをカーラジオで聞き、これも見ておかなくてはと足を運びました。
戦中、米軍が迫る中、沖縄県庁の職員達は出張と称して出掛け、どさくさの中、帰って来ない者が後を絶たなかったそうです。県知事さえも・・・。そんな時、大阪府の№2として働いていた島田叡さんは沖縄県知事として赴いてくれないかと打診されます。彼は家族の猛反対を受けながらも承諾するのです。
官尊民卑(こんな言葉があるなんて初めて知りました)の時代にあって、元沖縄県知事の太田昌秀さんをもって「島田叡氏は、行政官として本当に尊敬すべき、本物の人物じゃないかと思います」と言わしめる程のかたでした。
戦争が終盤にかかった時、部下や周りの人間に軍と運命を共にする事はない。投降しなさい。生きろ。と言葉を掛け、本人はその壕を離れます。死場所を探すために。
映画の中の出演者の言葉で忘れられない 言葉があります。官民玉砕を言い残し自決した第32軍司令官牛島満さんの孫にあたる牛島貞満さん個人の見解として仰っていた言葉です。
沖縄守備隊とは名前だけ。本土守備隊であって、沖縄を守るつもりは最初からなかった。
パンフレットの中では、こんな言葉も綴られています。
司令官の役割は戦争停止の役割がある。司令官が自決することによって、終わりなき沖縄戦を作り出してしまった。
司令官である牛島満という人物が官民玉砕を言い残したが為に、本土では戦争が終わっているのに、沖縄では泥沼をはい回るような戦争が続いてしまった。そうお孫さんである貞満さんは言うのです。
残念ですが上映期間は1週間と短く、東京では今日、金曜日までです。ですが、横浜では5月1日から関内にあるジャック&ベティという映画館で上映されます。こちらでも上映期間が短いかと思いますので、興味を持たれた方はチェックしておいて下さいね。
GWの真っ最中でありますが、コロナの影響で遠出するかたも少ないかと思います。映画館は閉じられた空間ではありますが、空気の入れ替わりが行われ感染に対しても厳重に注意されています。完全に安全だとは申し上げませんが、それを押しても見る価値はあると思います。
戦争体験者がどんどん彼方岸(あちらぎし)に渡っていった後、私達が戦争に対してNOと言えるのか言えないのか。戦争に対して賛成するのか、しないのか。
佐古さんに贈られたお花の前には今回の映画生きろのポスターが掲げられていました。その命の最後が定かではない島田叡さん。勿論、遺骨もどこにあるか分からない島田さんの墓前に捧げられた献花のように見えました。