今年は、グスタフ・クリムトが見られる展示会が同時期に2か所で開催されます。日本とオーストリア外交樹立150周年で、国立新美術館ではウィーン世紀末文化をテーマにクリムト、シーレが展示されます。
生誕100年でクリムトに焦点を当てたものは東京都美術館での開催です。
東京都美術館では絵画のみですが、こちら新国立美術館では、建築、工芸、ファッションなどにも、スポットを当てています。18世紀女帝マリア・テレジアの時代から19世紀末への軌跡を辿る展覧会となっています。
ウィーンモダン クリムト、シーレ世紀末への道 開催期間&開館時間
開催期間
2019年4月24日(水)~8月5日(月)
毎週火曜休館
4月30日のみ休館
開館時間
10:00~18:00
毎週金、土曜日 4,5,6月は、20:00まで
7,8月は、21:00まで
4月28日(日)~5月2日(木)5月5日(日)は、20:00まで
入場は閉館30分前まで
ウィーンモダン展、構成と代表的な作品
ウィーンモダン展は4章で構成されています。
第1章 啓蒙主義時代 1740年~1790年代
マリア・テレジアと息子ヨーゼフ2世が治めていた時代です。啓蒙主義とは、いったいなんでしょう。
啓蒙思想(啓蒙主義)
英:Enlinghtenment,仏:Lumières,独:Aufklärung
理性による施行の普遍性と普遍性を主張する思想。その主義性を強調して啓蒙主義ともいう。ヨーロッパ各国語の啓蒙にあたる単語を見て分かるように、原義は「光で照らされること(蒙(くら)きを啓(あき)らむ)」である。自然の光(ラテン語:lumen naturale)を自ら用いて超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促すという意味。
時代的に先行するルネサンスを引き継ぐ側面もあり、科学革命や近代哲学の勃興とも連動し、一部重複もするが、一般的にはもっぱら(経験論的)認識論、政治思想、社会思想や道徳哲学(倫理学)、文芸活動などをさす事が多い。17世紀後半にイギリスで起り、18世紀のヨーロッパにおいて主流となった。フランスで最も大きな政治的影響力を持ち、フランス革命に影響を与えたとされる。ヨーロッパで啓蒙思想が主流となっていた17世紀後半から18世紀にかけての時代の事を啓蒙時代という。
ウィキペディアより
なんかよく分からないですね。これを見るとフランス革命も、影響を受けているようですね。
公式ホームページでは、このように紹介されています。
理性や合理主義に基づき、社会の革新を目指す啓蒙主義の思想がウィーンに入ってきたのは、他のヨーロッパ諸国に比べ早くはありませんでしたが、この思想の熱烈な支持者であったヨーゼフ2世は、宗教の容認、死刑や農奴制の廃止、病院や孤児院の建設など、行政や法律、経済、教育においてさまざまな改革を実行しました。ウィーンは、自由な精神をもつ知識人たちを魅了し、彼らの交流の場となることで、ヨーロッパ文化の中心地へと変貌を遂げていったのです。
こちらの説明の方が分かりやすいですね。
幼いヨーゼフ2世を伴ったマリア・テレジア
マルティン・ファン・メイテンス《幼いヨーゼフ2世を伴ったマリア・テレジア》
1744年 油彩/カンヴァス 216.2 x 162.5 cm ウィーン・ミュージアム蔵
究極の簡潔性
この他、皇妃エリザベートの肖像や、ハプスブルグ家の栄光が垣間見られる美術品が多数来日するようです。
第2章 ビーダーマイアー時代 1814年~1848年
ナポレオン戦争終結後、ウィーン会議が開催された1814年から西欧各地で革命が起きる48年までの30年間をビーダーマイアーと呼びます。
この時期は、急激な都市化と表現の自由が厳しく統制された事により芸術家たちの関心は日常生活へと向けられました。
第3章 ウィーン大改造 リング通りとウィーン 1848年~1900年
この時代、人口は150万人から220万人と爆発的に増えます。皇帝フランツ・ヨーゼフⅠ世は城壁を取り壊し、都市の大動脈となるリング通り(リングシュトラーゼ)を開通。沿道には建造物が建設されていきました。
18世紀から音楽の都として広く市民にまで親しまれていたウィーンでは、この頃、シューベルト、モーツァルト、シェーンベルクら、様々なスターが集まります。
ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー
《フランツ・シューベルト》
1875年頃 油彩/カンヴァス
第4章 ウィーン世紀末時代 1897年~
いよいよクリムトら、ウィーン分離派の登場ですね。実は自分としては、クリムトよりも、エゴン・シーレに思い入れがあるのです。クリムトはいつ見ても退廃的で美しく妖しいクリムトです。
ですが、エゴンシーレは精神状態が不安定な時に見ると、心がえぐられるような、心の真ん中にある心棒をグッと掴み揺さぶられるような衝撃を受けるのです。胸が苦しくて、でもその場から立ち退く事が出来ない。そんな経験をしたのがシーレでした。
おそらく、シーレは心の中にある痛みに直接、囁きかけるんでしょう。
グスタフ・クリムト エミーリエ・フレーゲの肖像
グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》
1902年 油彩/カンヴァス 178 x 80 cm ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz
恋多き男クリムトが生涯のパートナーと認めていた女性の肖像です。エミーリエ・フレーゲは、実業家であり、ビジネスパートナーでもあったようです。
グスタフ・クリムト パラス・アテナ
1898年 油彩/カンヴァス
ウィーン・ミュージアム蔵
右手上には、どこかで見たような女性が・・・。裸の真実の女性と似てますね!こちらは、東京美術館のクリムト展で現物をみる事が出来ます。
エゴン・シーレ 自画像
エゴン・シーレ ひまわり
1909-10年 油彩/カンヴァス
ウィーン・ミュージアム蔵
シーレを見て感じた摩訶不思議な感覚はあの後、1度も訪れていません。ですが、その後もエゴン・シーレは私にとって特別な画家であります。今回は、このひまわり。いいですよね。以前のように心が揺れ動いて不安定な時に見ていたら、心にひっかけ棒を掛けられたように動けなくなっていた事でしょう。
わずか28歳で夭折した天才は、現代の世に生を受けていたら間違いなく牢獄に何度も入れられていたはずです。シーレの生涯については、こちらのサイトの見解がとても面白いですよ。
音声ガイドは城田優さん
東京都美術館で開催されるクリムト展では、稲垣吾朗さんが音声ガイドを担当されますが、こちら新国立美術館では、城田優さんが担当されます。お二方とも全く持ち味が違いますので、展示会のみならず、こちらの対比も楽しみですね。
ウィーンモダン展前売りチケット
一般前売り券
販売期間
2019年1月11日(金)10:00~4月23日(火)23:59 ※無くなり次第終了
価格
一般 1,400円(税込)
大学生 1,000円(税込)
高校生 600円(税込)
中学生以下は無料です。
販売場所
チケットぴあ(Pコード:769-499)
ローソンチケット(Lコード:30404)
セブンチケット(セブンコード:071-854)
クリスタルブレスレット付き前売り券
東京展/数量限定
クリムト‹エミーリエ・フレーゲの肖像›をイメージしたブレスレットが前売り券とセットになりました。オーストラリアで生まれたスワロフスキー・クリスタルを使用したラグジュアリーな一品です。前売りチケットでしか手に入らない貴重な限定色です。
販売期間
2019年1月11日(金)10:00~4月23日(火)23:59 ※無くなり次第終了
価格
6,800円(税込)
販売場所
チケットぴあ(Pコード:769-499)
ローソンチケット(Lコード:30404)
セブンチケット(セブンコード:071-854)
デメル ショコラーデントルテ付き前売り券
東京展
販売期間
2019年1月11日(金)10:00~4月23日(火)23:59
価格
2,900円(税込)
販売場所
チケットぴあ(Pコード:769-499)
ローソンチケット(Lコード:30404)
セブンチケット(セブンコード:071-854)
マイメロディぬいぐるみ付き前売券
サンリオの人気キャラクター、マイメロディが、クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》に扮して登場!おしゃれでかわいい“エミーリエ風”マイメロのボールチェーンぬいぐるみ付前売券は、ローソンチケットでの限定販売です。
販売期間
2019年1月11日(金)10:00~4月23日(火)23:59
価格
2,600円
販売場所
ローソンチケット(Lコード:30404)